Thursday, July 8, 2010

フランコフォン

このあいだアメリカにでかけたら、ホテルでカナダ住所を書くたびに「フランス語をしゃべるの?」と真顔で聞かれてとまどうばかりでした。いえ、日本人なんですけど。きっと、英語がたどたどしいからでしょうかね?まぁ、たしかに、東アジア系カナダ人でもケベック人だとフランス語堪能です。でも、まぁちょっと違うような・・・。

ところで、最近、赤毛のアン(もちろん日本語版です)を読み直しています。
この歳になって読み返すと、昔は気にならなかった「フランス人」という部分にひっかかりを感じるようになりました。もともと、アンがクスバート兄妹にひきとられることになったのは、農作業を手伝ってくれるのは「まぬけな半人前のフランス人の小僧ども」ばかりで、ようやく使い物になるようになると、「合衆国」にいってしまう・・・
そこで、孤児を引き取ることにした。ということだったそうです。

このフランス人は、原文の意図するところは、当然ヨーロッパはフランスからやってくるフランス人というよりカナダに住むfrancophoneってことですよね。

小僧の想定している年齢はわかりませんが、自分の土地や畑、馬や家をもち、それなりに豊かに暮らすアボンリーの人にたいして、流れの小作人というような農繁期に農家の手伝いをして暮らすしかないフランス語をしゃべる若者が存在する社会なのだなぁとふと気がつきました。「わたしらのやり方にならして」ともありますから、フランス語を話す彼らは生活習慣もかなり違うようです。カナダには、イギリス系とフランス系の対立があるといいますが、赤毛のアンの平和なような世界もそんな危うい対立の上にあるのだなぁと思うと、びっくりします。

そう思うと平和なアンの世界で、フランス語話者の若者が「まぬけな」といわれ、なんとかより安定した生活をもとめて「合衆国」に飛び出していくことに、ちょっと同情も感じます。考えすぎでしょうか?

2 comments:

  1. 何気に読んでいたお話の背景には複雑な事情があったりするんですね。
    「時代背景」って侮れませんね^^;

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  2. コメント有難うございました。お返事おそくなりました。
    実は、赤毛のアンだのアカディアンなど気になったのは、夏休みをとってプリンスエドワード島を巡りに行くからだったのです。
    だいぶトロントの話を書いていませんが、これから旅行の話をすこし書こうと思っています。

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